青にこだわり描いた一枚 うるま市・八木さん「海と一緒に育ってきた」全国展示会で最高賞


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最高賞の光陽会賞を受賞した作品「彩海Ⅰ」(光陽会提供)

 全国に会員がいる絵画団体・光陽会主催の「第71回光陽展」で八木洋子さん(73)=うるま市=がこのほど、全国から集まった320点の中から最高賞の光陽会賞を受賞した。原点だという沖縄の海を描き「子どもの頃から心の中にあるもので賞を取ったことはうれしい」と喜びを語った。

 幅1メートル30センチ、高さ1メートル60センチのキャンバスに海の中の光景を落とし込んだ。旧金武湾初等学校(現うるま市)に通っていた頃から「海と一緒に育ってきた」と言い、日が差し込むことで色が変わる海の様子を子どもながらに感じていた。受賞作の題は「彩海」。青にこだわり、絵の具をいくつもそろえ、青を基調とした作品に仕上げた。

 幼少期から好きだった絵を習い始めたのは30代。外国への憧れもあり西洋のものを題材にすることもあったが、それでも「どこかに沖縄があった」と原点を見詰める。受賞作について、「持っていないものは描けない」と幼い頃の記憶に着想。審査員からは「青が爽やかだ。沖縄出身と聞いてなるほどと思った」と講評があった。

八木洋子さん

 受賞には「自分でいいのかと思った」と驚きも大きかったが、「心や記憶の風景を題材にした作品が選ばれてうれしい」との思いを語る。「描ける間は楽しく描き続けたい」と笑顔を見せた。

(金盛文香)