FC琉球3連敗、攻撃の糸口見いだせず 守備も安定欠き、募る危機感


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 サッカー明治安田J3第6節第1日の8日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで奈良クラブと対戦し、0―2で敗れ、3連敗となった。2勝3敗1分けの勝ち点7で13位。前半は4分、バックパスを奪われて先制点を許した。37分は中盤でボールを失い、ショートカウンターでDFの間を縦パスで通され、ドリブルで持ち込まれて2点目を失った。後半も攻められる場面が目立った。なかなか攻撃の糸口を見い出せず、得点はならなかった。次戦は15日午後5時から、同スタジアムでギラヴァンツ北九州と対戦。
 

(1)タピスタ
奈良 2勝3分け1敗(7)
 2―0(2―0,0―0)
琉球 2勝1分け3敗(9)
▽得点者 【奈】 酒井(1)浅川(4)
▽観客 1865人

 【評】前半早々に荒木遼太のバックパスを狙われ、失点。後ろ向きなボール回しを虎視眈々(たんたん)と狙われた。37分には前掛かりに攻めようとしたが中盤でボールを失い、ショートカウンターから薄い守備の間をパスで通されて2点目を失った。後半は攻めたが切り崩せなかった。


 

琉球―奈良 試合に敗れ、肩を落としてサポーターにあいさつに向かう琉球の野田隆之介(左)らFC琉球イレブン=8日、タピック県総ひやごんスタジアム(小川昌宏撮影)

 琉球は6試合をこなして3連敗を喫した。牟田雄祐、森侑里の欠場で守備の安定感を欠き、複数失点が続く。倉貫一毅監督は「試合に本当に勝ちたい、という気持ちが選手一人一人にもっと必要」と危機感を募らせる。

 奈良は体の当たりが強く、ファウルぎりぎりにぶつかり、勝利への執念をむき出しにした。対する琉球はきれいにつなぐサッカーを展開しようとし過ぎる印象で、どろ臭くボールを追い掛ける姿勢は相手が勝った。3バックのセンターで奮起した鍵山慶司は、「前半早い時間での失点で苦しくなった。各選手が個々の部分で当たり負けしていた」と球際の争いで劣勢だったと振り返る。

 そんな中、森田凜は中盤でのボールキープ力が光り、うまくパスをさばいた。古巣相手に気合が入ったが「完敗だった。カウンターで突かれた」と脱帽した。「一人一人が主体性を持ってチームのために何ができるかを考えないといけない」と自戒を込める。

 来週もホーム戦で、勝利を信じるサポーターが待つ。鍵山は「一人一人が現状を受け入れてどう行動するか。この流れを断ち切らないといけない」と静かに闘志をたぎらせた。

(大城三太)


後ろ向きの試合に

 倉貫一毅監督(琉球)の話 先制点を取られる試合が続いていて前半の戦い方が重要だったが、ミスから失点し、相手が落ち着く、こちらは焦る展開となってしまった。せめ急ぎ、崩し切れなかった。勝利がない状況でミスが怖くなり、後ろ向きの試合になってしまった。
 

細かい部分ができた

 フリアン監督(奈良)の話 琉球は質の高い選手がそろっていた。ボールを相手に握られる難しい時間帯でしっかりプレーできた。エリア内でしっかり守り切れた。クロスを上げさせない、クリアではじき出すなど細かい部分ができていた。森田凜は自由にさせてしまった。