米軍、民間空港に銃携行 F16が緊急着陸の下地島へ警備要員を派遣 沖縄県は厳重管理を申し入れ


この記事を書いた人 琉球新報社
下地島空港に緊急着陸した米軍のF16戦闘機を整備する米軍関係者=10日午前10時45分ごろ、宮古島市の下地島

 沖縄県宮古島市の下地島空港に、韓国の米空軍烏山(オサン)基地所属のF16戦闘機2機が緊急着陸した件に関連し、9日に米軍のC12輸送機が同空港に飛来し、機体整備要員などと共に、銃を携行した米軍の警備要員4人を派遣したことが分かった。県は9日夕、沖縄防衛局に対し、武器の携行については空港内も民間地であることに十分配慮すると共に、空港外に武器を持ち出さず厳重に管理することや、機体整備が完了次第、速やかに離陸することなどを米側に働き掛けるよう口頭で求めた。

 県によると、緊急着陸した民間空港に銃を携行した警備要員が派遣されるのは珍しいという。

 県の要請に対し、防衛局の担当者は「米側も武器の管理には十分配慮するとの話があった」と回答したという。

 外務省担当者は取材に「米軍が提供施設・区域の外で武器を携行していることでただちに日米地位協定に反しているとは言えない。米側の軍用財産を警備するために武器を携行することはある」と述べた。その上で米側に対して安全に配慮することを求め、県側の要請内容を伝達したと説明した。

 県空港課によると、C12輸送機は9日午後5時半ごろ、下地島空港に着陸し、午後8時55分ごろ離陸した。

 F16戦闘機は緊急着陸から2日が経過した10日も、下地島空港で駐機を続けた。関係者によると、8日はタイから韓国の烏山基地に向かう途中だったとみられる。

 玉城デニー知事は10日午前、「今回は緊急事態に対応するためなので使用を許可している。県から特に自粛なども求めてはいない。引き続き平時における機体整備をしっかりやってほしい」と述べ、今回の緊急着陸を問題視しない姿勢を見せた。 (知念征尚、明真南斗)