宮古沖陸自ヘリ事故、漁船も捜索に加わる 隊員10人の行方依然分からず


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陸上自衛隊のヘリが行方不明になった海域付近を捜索する漁船と自衛隊のゴムボート=10日、宮古島市の伊良部島

 宮古島市沖で陸上自衛隊のヘリコプターが6日に消息を絶った事故で、10日までの捜索活動で隊員10人の安否に直接かかわる手がかりは得られておらず、24時間態勢の捜索は11日以降も続く見通し。10日は伊良部漁協所属の漁業者も捜索に加わった。

 捜索に参加した黄金丸船長の濱川敬徳さん(40)は「何か一つでも見つけられたらと思った」と心境を話した。10日は午前9時から池間島沖合や伊良部島沖合など事故機が消息を絶った海域付近を船5~6隻で探したが「何も見つけられなかった。ご家族は心配されていると思う。明日も(捜索協力の)要請があれば出たい」と神妙に語った。

 陸自と海上保安庁は9日の捜索でそれぞれ搭乗者のヘルメット一つと燃料タンクとみられる機体の一部を見つけて回収した。関係者によると、ヘルメットの外観から破損は見受けられない。陸自がヘルメットを発見した場所は伊良部島北東の海岸で、番号から搭乗者のものだと判明した。海保が燃料タンクとみられる機体の一部を見つけたのは、伊良部島と池間島の間の海域だった。8日夜に人が浮いているようだという目撃情報が寄せられた伊良部島北側の海上では10日までに、人の姿は見つからなかった。

 自衛隊は9日に潜水艦救難艦「ちはや」を捜索作業に投入した。深海を捜索でき、高度な医務室を備えている。潜水士も乗っている。自衛隊は10日、航空機5機、艦艇3隻、陸上部隊約370人で捜索を続けた。海上保安庁は9日夕から巡視船を4隻から2隻に態勢を縮小した。 (明真南斗、佐野真慈、大嶺雅俊)