ウェルネス、光る強力打線 宮古、機動力で上位進出 沖縄県春季高校野球総評


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
初優勝を飾り、優勝旗を受け取るウェルネス沖縄ナイン=8日、沖縄セルラースタジアム那覇(又吉康秀撮影)

 第70回県高校野球春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)は3月19日から4月8日にかけて、沖縄セルラースタジアム那覇などで行い、ウェルネス沖縄が大会初優勝を飾った。同校と沖縄尚学は第152回九州地区高校野球大会(22~27日、熊本県)に出場する。九州大会を控え、県春季大会を振り返る。

■1、2番出塁で好機

 優勝したウェルネス沖縄は連打でたたみかける攻撃で、一度勢いに乗ると止まらなくなる。1番ワォーターズ璃海と2番富村大夢の当たっている2人が出塁して好機をつかみ、中軸の安打で得点につなげる攻撃で勝ち上がった。

 3番新垣塁雅はコンパクトな打撃を心掛け、決勝までの全5試合で打点を挙げる好調ぶりを発揮。4番の當銘愛渉は準決勝から調子を上げ、優勝した翌日の沖縄尚学とのチャレンジマッチでも3安打2打点の活躍を見せ、主砲としてチームを支えた。

 投手陣は今大会で急成長を遂げた安里幸大が存在感を高めている。最速141キロの強気の直球で相手打者を抑え、七回コールド試合となった準決勝は無失点に抑えた。沖尚戦でも9回まで2失点と粘投した。チームとして九州大会でも活躍が期待される。

■宮古・花城が好投

 ノーシードの宮古は1回戦から自慢の機動力を生かし、単打、盗塁、犠打で積極的に次の塁を狙う「つなぐ野球」で得点を重ね、対戦相手を破ってきた。8年ぶり2度目となった決勝では、ウェルネス沖縄に敗れ、惜しくも初優勝とはならなかったが、全6試合で安打78、四死球25、犠飛2の出塁率4割3分5厘でウェルネス沖縄の3割3分7厘をしのいだ。

 投手陣では花城駿が大会を通じて好投を続けた。準決勝では9回を1失点で完投し、五回から登板した決勝はウェルネス打線を無安打に抑えた。

 西原は24年ぶり2度目の4強入り。前評判を覆し、ノーシードから美里工やKBC未来を接戦で制す熱戦を演じた。豊見城もノーシードからの4強入りを果たした。準決勝では宮古に敗れたが安打数で上回り、夏への手応えを得た。全国高校選手権沖縄大会は6月17日の開幕を予定する。春を終え、より成長した各校の勇姿に注目したい。
 (砂川博範)