災害時に「逃げる勇気持って」 元・消防長の賀数さん招き「命守る授業」 沖縄・豊見城空手道連盟


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逃げる勇気を持つことの大切さについて語る賀数淳さん=3月18日、豊見城市立中央公民館

 【豊見城】豊見城市空手道連盟は3月18日、市立中央公民館で命を守る授業を開催した。元糸満市消防長で現在、沖縄大学地域研究所特別研究員などを務める賀数淳さんが登壇し、地震が発生する仕組みや危険性、災害時に必要な行動などについて自身の体験を踏まえながら話した。

 賀数さんは自分の命を守るためには、「危ないところ、もの、人から『逃げる勇気』を持つことが大切だ」と語った。

 東日本大震災の被災地などに何度も足を運んでいる賀数さんは、東日本大震災で児童・教職員計84人が犠牲となった宮城県石巻市立大川小で当時、何が起きたかなどを時系列にまとめて説明。「大川小の悲劇を忘れず、裁判の判例を無駄にしてはいけない」と語った。

 地震大国の日本において、沖縄県の地震発生回数は2022年の1年間で153回(震度1以上)と、全国9番目の高さとなっている。賀数さんは「沖縄は決して地震が少ない地域ではない。地震と津波は定期的にやってくる。日頃から地域の危険箇所や避難所を確認してほしい。災害時は堂々と逃げて」と呼びかけた。

 授業には連盟に所属する子どもたちと保護者ら約90人が出席した。

(吉田健一)