低空飛行「問題ない」 陸幕長「偵察なら一般的」 宮古沖陸自ヘリ事故 「全力で捜索続ける」


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ヘリコプター事故について報道陣の質問に答える森下泰臣陸上幕僚長=13日、防衛省

 【東京】宮古島市沖を飛行中だった陸上自衛隊のヘリコプターが6日から行方不明となっている事故を巡り、当該ヘリが消息を絶つ直前に最低安全高度(150メートル)に近い低さで飛行していた可能性について、森下泰臣陸上幕僚長は13日の記者会見で「仮にその高度で飛んでいても問題はない」と述べた。

 陸幕長は「詳細はフライトレコーダー(飛行記録装置)を取らないと分からない」と前置きして見解を示した。その上で「今回の航空偵察という任務飛行なら空から地上や海岸線を見るためにそういった高度で飛ぶことは一般的で、安全上も問題はない」と語った。おおむね計画通りの飛行をしていたとの認識を示し、最低高度の150メートルを下回る飛行は予定していなかったと明らかにした。

 また、機長や副操縦士の総飛行時間について、それぞれ約3千時間、約500時間だったとし「飛行経験には問題なかった」と話した。今回消息を絶ったUH60JA多用途ヘリ自体については暫定的に設定した耐用年数が約6千時間だとし、総飛行時間は約2600時間だったと説明した。

 自衛隊の安全管理について「平素から十分に教育し徹底しており、今回も搭乗前の点検や安全管理に不具合は確認していない」とし、事故原因については「事故調査委員会で究明し、再発防止を徹底したい」と述べた。

 吉田圭秀統合幕僚長は13日の会見で、1週間の捜索で10人が見つかっていない現状に「捜索救助を担当する責任者としてはじくじたるものを感じている。一刻も早く発見すべく、全力で捜索救助活動を続けていく」と語った。 (明真南斗)