陸自ヘリ、潜水調査を中断 機材の不具合 機体周辺には複数隊員か 沖縄・宮古沖 


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陸自ヘリ事故の現場海域を捜索する海上自衛隊の潜水艦救難艦「ちはや」(右)と掃海艇「とよしま」=14日午後1時21分、池間島から撮影

 【東京】宮古島沖を飛行中だった陸上自衛隊のヘリコプターが6日から行方不明となっている事故を巡り、14日、自衛隊による捜索で13日に見つかっていた機体らしきものの周辺で、複数の隊員とみられる姿も確認された。複数の関係者が明らかにした。防衛省・自衛隊は14日、深い海での水圧にも対応する「飽和潜水」に向けた作業を始めたが中断した。

 防衛省関係者によると、機材の不具合があった。15日以降、作業を再開する予定。 

 防衛省統合幕僚監部は「今日は飽和潜水の作業は実施していない」と述べたが、できなかった理由については「運用の中身に関する事なので回答を控える」として明らかにしなかった。

 水圧に慣れる準備をしていた潜水士がカプセルでいったん海底へ向かったが、機材に何らかのトラブルが生じて海中に出ることができず、取りやめたとみられる。

 13日夜、海上自衛隊の掃海艦「えたじま」が水中音波探知機(ソナー)で、水深約100メートルの海底にヘリの機体らしき物や人のような姿を発見した。水中カメラで詳しく確認しようとしたが、暗くて特定できなかったため、潜水士が潜って直接、確認しようとしていた。防衛省・自衛隊と海上保安庁は15日以降も24時間態勢で捜索を続ける。

 浜田靖一防衛相は14日朝の閣議後会見で、深い海で作業できる「飽和潜水」に向けた潜水士の投入予定について問われ「今後、対応していく」と答えた。

 玉城デニー知事は14日の会見で、事故について「(政府に対する要請などは)捜索の進展を見守りながら検討したい」と話した。
(明真南斗)