「害虫もコロナも入ってこないで」 「虫舟」沈める伝統行事 多良間村で豊作祈願「ウプリ」


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虫舟を海に沈めに行く字役員=3月19日、多良間村

 【多良間】旧暦の2月「ひのえね」の3月19日、多良間村の伝統行事「ウプリ」がイビの拝所や村内の海岸で行われた。祭祀(さいし)を司る二才頭(ニサイガッサ)や字の役員を中心に害虫を「虫舟」に乗せて海に沈め、豊作を祈願した。

 「ウプリ」は害虫よけの行事で、早朝に仲筋字は「カミディマス」、塩川字は「ヌウヌフツトゥンバラ」という場所へ行き、害虫を捕まえてクワズイモの葉で包み、木の枝で作った虫舟に乗せる。

 イビの拝所では、泊御嶽の二才頭が「害虫もコロナも島に入ってこないように。島民の健康と豊年豊作を願います」と祈願し、ウプドゥマリ、ウプフッツー、ウカバの3カ所のトゥブリ(海へ続く道)から海に入り虫舟を沈めた。(清村めぐみ通信員)