母の故郷・沖縄でのレースに心躍らせ 21歳、男子最年少で出場 東京都のハンソンさん 【宮古島トライアスロン】


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男子最年少出場のハンソン・ロバート・心さん=14日、宮古島市平良のJTAドーム宮古島(大城直也撮影)

 【宮古島トライアスロン取材班】第37回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古島市、琉球新報社)が16日、本番を迎える。午前7時にスタートしスイム、バイク、ランで各選手がそれぞれの思いを胸に熱い戦いを繰り広げる。競技歴は浅いものの、仲間の後押しを受けて最年少で出場する男子選手、先天性の股関節の疾患を克服してレースに挑む女子選手、小学生の頃に見たゴールテープを切る父の後ろ姿を追い掛け、完走を決意する男子選手など、自然あふれる島を舞台にアスリート魂をレースにぶつける。

 今大会男子最年少出場となるハンソン・ロバート・心さん(21)=東京都、日本大学4年=は、うるま市出身の母・しのぶさん(51)(旧姓平良)の故郷、沖縄でのレース出場に心躍らせている。

 高校から大学1年までは野球に明け暮れたが、肩のけがで手術を受け「復帰は難しい」と引退した。大学3年からサークルに入り、トライアスロンを始めた。「リハビリや体を動かさないといけないと思って始めた」と最初は短い距離の大会で実力を確かめた。競技歴は短いものの、伊良部島にいる知り合いに勧められ、思い切って大会に応募し出場を射止めた。

 2月には1週間の日程で宮古島合宿を行った。その知り合いが宿を提供してくれて、大学のサークル仲間とマネジャーを誘って一緒に練習を積んだ。「半年前よりも確実に速くなっている。目標は8時間を切ること」と自信をのぞかせる。

 ただ、4月2日、自転車で自宅からバイクの練習場所へ向かう途中で落車し、あごや頬に計12針を縫うけがを負った。大会出場への強い思いは揺るがず、宮古の自然を感じながらレースに挑む。「それでも1番好きなのはバイク。風を切る爽快感がいい。当日は両親や知り合いも応援に駆け付けてくれる」と応援を背に受け、ゴールを目指す。
 (大城三太)