「民間機のみ」の使用を決めた下地島空港ってどんな所?<ニュースはじめの一歩>


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下地島空港=2004年10月

Q:宮古島市にある下地島空港ってどんな空港なの?

 

A:1979年に使用が始まった、県管理の空港です。長さ3千メートルの滑走路があります。現在はジェットスターとスカイマークが就航し、成田、羽田、神戸、福岡、那覇の路線があります。宇宙旅行の拠点とする事業も進んでいます。

 誕生は航空需要が世界的に増加した1960年代にさかのぼります。ジェット機のパイロットを育てる必要に迫られた国内の航空会社の強い要望を受け、当時の運輸省は下地島をパイロットが訓練する飛行場の候補地に選定。しかし地元の伊良部村(当時)は誘致賛成派と自然破壊や軍事利用を懸念する反対派に二分されました。

 71年、琉球政府の屋良朝苗主席と丹羽喬四郎運輸相との間で、いわゆる「屋良覚書」が交わされました。パイロット飛行場として建設される下地島空港について(1)琉球政府が所有・管理し、使用方法は管理者である琉球政府(復帰後は県)が決定する(2)運輸省として、航空訓練と民間航空以外の目的に使用させる意思はなく、これ以外の使用を琉球政府に命令する法令上の根拠を有しない(3)ただし緊急時などはこの限りではない―と確認しています。復帰後の79年、西銘順治知事も国との間に、人命救助や緊急時などのやむを得ない事情を除き、民間機のみの使用とする「西銘確認書」を交わしています。

 しかし、尖閣諸島に近いことなどから、米軍や自衛隊の配備候補地として名前が挙がることがあります。県は、軍事利用を否定した屋良覚書などの趣旨を反映した条例化について、研究を進めるとしています。