沖縄県空港課によると、8日に宮古島市の下地島空港に緊急着陸した韓国の米空軍烏山(オサン)基地所属のF16戦闘機2機は16日午前9時32分、同空港を離陸した。米軍嘉手納基地に向かったとみられる。同日午前中には米軍のC12輸送機が飛来し派遣要員約10人を回収、同日夕にはMC130特殊作戦機が飛来し修理用の機材を回収するなど、支援機の飛来も相次いだ。
F16戦闘機は8日にタイから韓国に戻る途中、宮古島の南約60キロの海上で1機がエンジントラブルを起こし、下地島空港に緊急着陸した。
下地島空港は1972年の建設前から米軍や自衛隊による軍事利用が懸念され、琉球政府の屋良朝苗主席(当時)が71年に国と「屋良覚書」を交わし、民間機以外は同空港を使用しないことを確認した経緯がある。
復帰後の79年には、当時の西銘順治知事も国と「西銘確認書」を交わした。人命救助や緊急時などのやむを得ない事情を除き、民間機のみの使用に合意した。
県は今回、エンジントラブルという「緊急対応」だとして着陸を認めた。だが、駐機は8日間に及んだほか、支援機の飛来は比較的大型のMC130特殊作戦機を含め計6回に及んだ。
(知念征尚)