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寺澤光介(29)=東京都=が初出場の宮古島大会を制覇した。タイムは6時間4分47秒。「子どもから高齢者までが沿道で応援してくれて最高のレースになった。ありがとう」と大会を支える島民らへの、感謝の思いがあふれ笑顔が映えた。
3番手でスイムを終えて、バイクの出だしですぐに2位に上がった。「なかなか追い付けなかった」とトップの細田雄一をひたすら追い掛けた。細田が不測のアクシデントでタイムロスを余儀なくされ、その間にトップに躍り出た。寺澤は「複雑な気持ちだった」と手放しで喜ぶことはなかった。
バイクからランへと切り替えるトランジットは時間をかけた。「しっかり走るために体を冷やす対応や、どう走っていくか展開を考えていた」
ランに入った直後に2位と11分ほどの差が開いていると耳にし「優勝を意識したが、最後まで気を抜かなかった」。21キロから22キロの間で足がけいれんを起こした。立ち止まってふさぎ込んだが「けいれんしやすい体質だが戻るのも早い」と、すぐに動き出し歩みを止めなかった。
岩手県大船渡市出身。「2、3歳の頃に腎臓の病気にかかった」と言うが、今では強靱(きょうじん)な肉体でしのぎを削り合う環境に身を置く。小学2年から高校まで水泳を専門にし、日体大に入ってからトライアスロンを本格的に始めた。
これからはプロのカテゴリーを目指し、海外選手も出場する長距離の大会に本格的に参戦するつもりだ。「自分の実力がどの位置にあるのか確かめたい」と飛躍を誓う。「来年も前回王者として必ず出場したい」と再び宮古島に戻って勇姿を見せることを約束した。
(大城三太)
【宮古島トライアスロン取材班】第37回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古島市、琉球新報社)は16日、与那覇前浜ビーチから出発して宮古島市陸上競技場をゴールに行われた。男子は初出場の寺澤光介(東京)が6時間4分47秒で初優勝をつかんだ。女子は2度目の出場となる戸原明子(茨城)が7時間8分21秒で初制覇した。男子2位は大畑亮介(東京)、3位は土田洋平(岐阜)。女子2位は太田麻衣子(東京)、3位は巖淵知乃(埼玉)だった。今大会はバイクとランの距離が短縮され、スイム3キロ、バイク123キロ、ラン30キロの計156キロで行われた。スイムは混雑を避けるために、4グループに分けてスタートをずらすウエーブ(時間差)スタートで行われた。