父と娘で「連続出場」つなぐ 広島・坂根さん、宮古島トライアスロン完走


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父、坂根啓一さん(左)の思いを引き継ぎ、宮古島大会に出場して完走した三保さん=16日午後、宮古島市陸上競技場

 【宮古島トライアスロン取材班】新型コロナウイルスによる中断を経て4年ぶりの開催となった第37回全日本トライアスロン宮古島大会。待ちかねていた全国のトライアスリートは、快晴の空に映える「宮古ブルー」の海や温かく響く沿道の声援を満喫しながら力強く進んだ。ゴールの宮古島市陸上競技場では、感染対策によって伴走に制限があるものの、駆け付けた家族らが選手とともにテープを切り、仲間たちが拍手と歓声で健闘をたたえた。

 トライアスロン宮古島大会の常連だったが年齢制限により出場できなくなった父親の思いを背負い、娘の坂根三保さん(48)=広島県=が駆け抜けた。ゴール会場の宮古島市陸上競技場で待っていた父、啓一さん(72)と手をつなぎ、一緒にゴールした。三保さんは「父と臨んだ宮古島大会は最高。私も父のように65歳まで出場したい」と完走を喜んだ。

 啓一さんは第7回大会から第32回大会まで連続出場し、65歳の年齢制限で「卒業」した。啓一さんと一緒に宮古島大会に出場したこともあった三保さんは、第33回大会から連続出場し「声援が温かい宮古島大会が好き。父に代わって大会に連続出場しようと思った」と語る。父娘での「連続出場」は途絶えていない。

 本番前、啓一さんはバイクの預託や練習会場までの送迎など、三保さんのサポートに徹した。啓一さんは「出場できなくても娘と一緒に宮古島に来ることが何より幸せ」と、頬を緩ませる。

 ゴール後、2人は「宮古島で大会に臨めることが1年で一番楽しい。今後も親子で出場していきたい」と口をそろえ、二人三脚で挑戦を続けていくことを誓った。
 (友寄開)