与那国島の空港・港湾拡張に沖縄県は難色 「台湾有事」の避難想定で町長が要請 県「需要に課題」


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県の前川智宏土木建築部長(左端)、金城敦企画部長(左から2人目)に空港滑走路延長についての要請書を手渡す糸数健一与那国町長(同3人目)=17日、県庁(提供)

 与那国町の糸数健一町長が17日、沖縄県庁を訪れ、与那国空港の滑走路延長と新たな港湾の整備などを県幹部に要請した。県側は、滑走路延長と港湾の整備いずれも需要に課題があるとして実現に難色を示した。

 要請書によると「台湾有事」などの非常事態を想定して、有事の際には、国民保護の観点から島外へ島民を避難させるインフラ施設の拡充が必要と明記。現在2千メートルの空港滑走路を西へ500メートル拡張して2500メートルにするほか、島の北側にある祖納港に代わり、南側の町比川に港湾を整備することを求めた。

 県側は、土木建築部の前川智宏部長と企画部の金城敦部長が対応した。糸数町長は、インフラ整備のほか、台湾との定期航路の実現に向けた支援も要請した。

 糸数町長は昨年9月、同様の要請書を自民党政調会長の萩生田光一氏、経済安全保障担当相の高市早苗氏にも手渡していた。
 (與那原采恵)