バスケWリーグENEOS優勝、MVPの渡嘉敷「涙が止まらない」 2度延長の激戦、主将でけん引


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Wリーグファイナル第3戦を制して4年ぶり17度目の王座を獲得したENEOS(Wリーグ提供)

 【東京】「優勝して泣くキャラじゃないけど、涙が止まらない。この2、3年間は勝てなくて申し訳ない気持ちと、本当にしんどかった」。試合後、会場内の優勝インタビューで、大勢の観客を前にENEOSの渡嘉敷来夢は、そうゲームを振り返り、涙を見せた。バスケットボール女子Wリーグは、ENEOSがトヨタ自動車を2勝1敗で破り、4年ぶり17度目の王座に輝いた。

 東京都調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザで17日に行われたプレーオフ決勝最終戦は、2度の延長にもつれ込む熱戦が繰り広げられた。

 「(試合が)長引けば長引くほど、うちが有利かなって、正直思っていた」と試合後に渡嘉敷が語ったように、再延長終盤にENEOSのオフェンスが地力を発揮した。残り1分15秒で林がスリーポイントシュートを決め勝ち越すと、宮崎がバスケットカウントを決め70―64とリードを広げた。最後はトヨタの山本のシュートを渡嘉敷がブロック。「あれで勝ちを確信した」(渡嘉敷)。こぼれ球を拾った高田が速攻を決め、72―64として50分間に及ぶ激闘を制した。

 緊迫した戦いを終え、ENEOSの選手たちは、晴れやかな表情を浮かべながら優勝会見に臨んだ。

 県出身の佐久本智HCは「こういうゲーム展開になるとは思っていなくて、本当に我慢の連続だった。そこを選手たちはしっかり耐えて、自分たちのプレーを信じ、仲間を信じた結果だと思う。目標としていた2冠を達成できてほっとしている」と安堵(あんど)の表情を見せた。

 キャプテンとしてチームを優勝に導いた渡嘉敷は、プレーオフのMVPにも選ばれた。「自分たちだったらできるという強い気持ちを持ち、延長になった段階でも自分たちを信じ、いつかは絶対に自分たちの時間帯が来ると我慢して、それが最後の最後になって来て、出た結果だと思う。本当に勝てて良かった」と満足げに振り返った。
 (和田清首都圏通信員)