比嘉、強豪と戦い刺激に けがで不安も「絶対に挙げる」 重量挙げ全日本女子59キロ級、準優勝


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 重量挙げの第83回全日本・第37回全日本女子選手権大会第2日は22日、山梨県の山梨市民総合体育館で行われ、女子59キロ級の比嘉成(本部高3年)がスナッチ93キロ、トータル196キロを挙げ、自らが3月の全国高校選抜大会で打ち立てた日本高校記録を塗り替えて準優勝を飾った。それぞれスナッチは1キロ、トータルは2キロ高校記録を更新した。ジャークは103キロで自己ベスト。同級の大湾ゆみか(豊見城南高―日本体育大出、鹿児島県スポーツ協会)は8位、男子67キロ級の永山盛耀(糸満高―日本大)は8位だった。


 

女子59キロ級 2位に入った比嘉成のスナッチ=山梨市民総合体育館

 3月の全国高校選抜大会でも記録を更新、破竹の勢いで3度目となる全日本女子選手権の大舞台に立った59キロ級の比嘉成。出場10選手のうちただ一人の高校生は並みいる強豪をものともせず、自らが打ち立てた記録を塗り替える快挙を成し遂げた。

 1週間前に右膝裏を傷め、十分な練習を積めずに臨んだ。「スナッチ1回目の90キロもジャーク1回目の98キロも、どちらもぶっつけ本番。不安はあった」。そんな比嘉を支えたのは「絶対に挙げる」という強い意志と、会場に駆けつけた家族と本部高部員からの大きな声援だった。

 得意のスナッチ1回目、体が揺れたが踏ん張って成功。この勢いを駆って2回目、日高新となる93キロも挙げ切った。狙っていた95キロは失敗したが、流れをつかんだまま不得意のジャークに。全国選抜で大きく修正したフォームを今大会でも維持。3回全てを危なげなく成功させ、トータルでも日高新となる196キロで表彰台に上がった。

 次は最後の高校総体だが、大舞台で第一人者・安藤美希子(千葉)はじめ強豪と競い合った刺激は大きい。「スナッチを磨き、ジャークを伸ばす。次こそはスナッチ95キロ、ジャーク105キロ、トータル200キロ以上」とさらなる高みを目指す。

(安里周悟)