男子・前原、女子・浦添が栄冠に輝く 空手の沖縄県高校夏季大会


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 空手の2023年度県高校夏季大会は22日、那覇商業高校体育館で行われた。個人形の男子は金城匠杜(たくと、浦添3年)が決勝を25.66で制した。女子は上原彩楓(あやか、コザ3年)が24.66で栄冠をつかんだ。団体組手は男子は前原、女子は浦添が優勝した。個人組手は男子が伊礼龍寿(りゅうき、前原3年)、女子は伊藝あいか(前原3年)が頂点をつかんだ。


新垣、勝負決める上段突き 男子・前原

男子団体組手決勝 前原ー浦添 大将戦で上段突きを決めた後、雄たけびを上げる前原の新垣瑠唯=22日、那覇市松山の那覇商業高校(大城三太撮影)

 男子団体組手は前原がライバルの浦添を退けて、頂点をつかんだ。

 先鋒(せんぽう)の伊礼龍寿は「チームの雰囲気を盛り上げるためにも、最初で流れを持ってくるよう意識していた」と、ポイント先取の後も攻撃の手を緩めず、勝利につなげた。

 2人が負けて1―2と追い込まれたが、副将の新城将矢が奮起した。「勝たなきゃいけないという気持ちはあったが、緊張はなく落ち着いて戦えた」と間合いをうまく取って相手をいなし、次々とポイントを奪った。突き技で相打ちになる場面もあったが最後は再び突き放した。主将として勝負どころで重要な役割を果たし「自分の出番前に30秒間目を閉じ、勝つことだけを考えて集中力を高めた。それが良かったかも」と笑う。

 チームの勝利を託されたのは大将で2年生の新垣瑠唯(るい)。「これまで負けが多く、先輩たちに迷惑ばかり掛けてきた。チャンスが巡ってきた」と気合十分で挑んだ。出だしは互いに様子見が続いたが、相手の顔面への上段突きをきれいに決め、これが勝負の決め手となった。「気持ち良く勝つことができた」とチームに大きく貢献し、仲間と勝利の喜びを分かち合った。

(大城三太)


女子・浦添、主将玉城が完勝

女子団体組手決勝 上段突きで攻める浦添の中堅・玉城琴音(左)(大城直也撮影)

 女子組手は浦添が制した。中堅の玉城琴音主将が完勝。玉城と同じ3年で副将の下門千愛季(ちあき)は相手の出方をうかがいつつ、懐に入った瞬間のカウンター狙いで次々とポイントを奪った。途中、ポイントを連続で奪われたが、最後は中段突きで再び引き離し、優勝を決めた。

 3月の全国選抜では1回戦で宮崎第一に0―5と完敗。玉城は「チームの雰囲気で負けていた。相手は常に笑顔で冷静、大会を楽しんでいた。技術の部分ではスピードや体力、足腰の強さも相手が上回っていた」と悔しさをバネにチームの在り方を見直した。

 「大会直後はぎくしゃくした雰囲気もあったが、みんなで一から頑張ろうと話し合った。優勝したいという思いが出た」とチームワークを誇った。

(大城三太)