しまくとぅば「あいさつ以上」できる人、2031年度に6割目指す 沖縄県が推進計画を公表


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 沖縄県文化観光スポーツ部はこのほど「しまくとぅば普及推進計画」の第2期計画をまとめ、26日に公表した。2022年に策定された「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」などと連動し、「保存」「普及」「継承」の三つの基本方針を据える。消滅が懸念されているしまくとぅばの復興に向けた取り組みを効果的に推進することで、31年度には県民の60%があいさつ以上に使用できるよう目指す。「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」と連動することから、計画期間は31年度までの9年間となっている。
 
 基本方針の「継承」に向けた取り組みとして、就学前から大学など高等教育において、各段階で求められるしまくとぅばの教育の在り方を模索する。そのために有識者らからなる検討委員会を本年度中に立ち上げ、詳細について協議することにしている。
 
 県は21年度、記録に向けた行程を示す「しまくとぅばアーカイブロードマップ」を策定した。2期計画の「保存」では、ロードマップに基づき、対象地域の拡大や映像や音声といったあらゆる種類の保存に取り組む。研究者らと連携して保存資料を活用し、普及や継承につなげる。
 
 「普及」では、しまくとぅば普及センターの活動を強化し、県民大会の開催や教育機関との連携、講座やシンポジウムによる情報発信などに取り組む。
 県は第2期計画に合わせ、本年度から文化観光スポーツ部の文化振興課内に「しまくとぅば普及推進室」を新設している。 
 
(小波津智也)