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米軍嘉手納基地内で整備予定の防錆(ぼうせい)整備格納庫について、米軍は嘉手納町などの要望を拒否し、当初の予定通り住民の居住地域に近い旧駐機場「パパループ」に建設することを決めた。しかし建設地がパパループでなくてはならない必要性や、「地元の懸念に応える」とした配慮が実行されるのかは依然として不透明なままだ。
町は建設地を住宅地域から離れた場所にするよう代替案を米側に提示していたが、日米間の協議の結果、米軍が定める航空機が安全に飛行するための高さ制限の観点から、滑走路に近い代替案での建設は困難として、要望は拒否された。
一方で名護市辺野古の新基地建設については、周辺に米軍の制限基準を超える建物があるにも関わらず、米軍は「例外」とした事例がある。町関係者は「理屈をこねているだけではないか。納得できる説明がほしい」と疑念を抱く。
米側は周辺地域への騒音・悪臭軽減のため、航空機が格納庫に出入りする際は自走でなくけん引することや、格納庫内でのエンジン稼働はしないとしている。
しかし嘉手納基地内の旧海軍駐機場では、SACO最終報告で住民への騒音被害の軽減を目的に住宅地から離れた場所に移転することが合意されたにも関わらず、航空機がエンジンを稼働したまま駐機・自走する様子が何度も確認されている。米軍の説明する環境措置が本当に徹底されるのか、不信感は拭えない。日本政府は国民の生活を守る責任を負う「当事者」の立場で、目に見える負担軽減のため、地域住民の声を真摯(しんし)に拾い上げる必要がある。
(石井恵理菜)