陸自ヘリ事故 きょう機体引き揚げに向けた作業を開始 サルベージ船が宮古沖に到着


この記事を書いた人 琉球新報社
海底の機体主要部分の引き上げのため、発見現場近くに到着した作業船=28日午前7時19分(池間島から撮影)

 【宮古島】宮古島沖で発生した陸上自衛隊UH60JAヘリコプターの事故で、伊良部島の北約6キロ、水深約106メートルの海底に沈んだ機体の引き揚げに当たる作業船「新世丸」が28日、現場の海域に到着したのが確認された。関係者によると、29日から無人潜水機(ROV)で海底の様子を確認するなど、引き揚げに向けた作業を開始する予定。

 30日以降に本格的な引き揚げ作業に入る見通しだが、海が荒れれば作業ができなくなることから、天候次第で遅れる可能性もある。

 新世丸は、深田サルベージ建設のグループ会社・オフショアエンジニアリング(東京)の船で、ロボットアームを取り付けることが可能なROVを搭載しており、船からつり下げたまま海中を移動し、作業することができる。実際の引き上げには別の作業船も入り、最終的には網で機体主要部分を下からすくい上げる形を目指すとみられる。

 これまで、隊員とみられる6人が伊良部島の北側約6キロの海底で見つかっており、うち5人が引き揚げられて死亡が確認された。見つかったもう1人や機体の主要部分は海底に残ったままだ。

 事故から1カ月がたつのを前に、森下泰臣陸上幕僚長は28日「事故の原因究明と再発防止に全力を尽くし、防衛・警備態勢の維持・強化に取り組んでいく」とする声明を発表した。
 (友寄開)