GWの沖縄観光、予約好調に弾む声 一方「劇的な伸びはない」も その理由は


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観光客や修学旅行生でにぎわう国際通り=28日午後、那覇市(喜瀬守昭撮影)

 コロナ禍以降、2回目の行動制限のないゴールデンウイーク(GW)が、29日から始まる。航空各社が21日に発表した沖縄関係路線の航空予約は、前年比13・2%増となるなど、昨年に続き多くの入域客が訪れる見込みだ。一方、GW期間中は全国旅行支援が使えないことなどから、観光事業者からは「想定よりも予約が少ない」との声も上がる。

 「天候にもよるが、GW中はクルーズ船も入るので、予約が期待できる」。石垣市川平でグラスボート遊覧を実施する川平マリンサービスの松原一代社長は、前年比で3割ほどの利用客増の見込みに声を弾ませた。

 東村などでアドベンチャーツアーを提供する沖縄どきどきツアーズ(名護市)でも、予約が前年比で約1・5倍の大幅増。担当者によると、予約率は95%とほぼ埋まっている。

 「GW期間中の平日も予約が落ち込まない」。県内6施設を展開する星野リゾート(長野県)の担当者は、稼働率が前年の約2倍の約85~90%まで回復した。

 国頭村の「やんばるホテル南溟森室(なんめいしんしつ)」は、GW中はほぼ満室。仲本いつ美代表は「物価高騰などの影響で宿泊単価を上げたものの、昨年8月の開業以降、予約率は最も高い」と話した。

 一方、GW期間中は、県が7月20日宿泊分まで延長する「おきなわ彩発見キャンペーンNEXT」の利用ができない。

 那覇市のノボテル沖縄那覇の坂本公敏総支配人は「予約率は悪くないが、年末年始もそうだったように、『彩発見』が使えない期間は劇的な(予約率の)伸びはない傾向だ」と述べた。

 国際通りなどで沖縄料理店を運営する「ちぬまん」グループの予約率は約60%だが、直前の予約で5月3日以降は予約率80%超を見込む。3月は8~9割が彩発見のクーポン利用者だったことから、与那和正専務は「旅行支援が使えないので、思ったより(予約は)伸びていない」と語った。

(與那覇智早)