沖縄戦から平和意識学ぶ オンライン視聴・来場者らも聞き入る 台湾有事シンポ


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「『台湾有事』を起こさせない・沖縄対話プロジェクト」の沖縄台湾対話シンポジウムで登壇者の議論に耳を傾ける聴衆ら=29日、那覇市の琉球新報ホール

白熱した議論は終了予定時間を1時間超えても続いた。登壇者らの熱気に聴衆は拍手で応えた。29日、「『台湾有事』を起こさせない!沖縄対話プロジェクト」と琉球新報社共催のシンポジウムが那覇市泉崎の琉球新報ホールで開催された。オンラインでの視聴も含め県内外の500人(主催者発表)が熱心に聞き入った。

台湾側から3人、沖縄側から2人が登壇した。登壇者らはそれぞれの立場から「台湾有事」を巡って議論を交わした。互いの立場を理解し、交流を深めていく大切さを共有した。

石垣島出身で大学生時代から基地問題について学んできたという阿利斎生(いつき)さん(25)は「台湾有事を避けることは沖縄有事を避けること」と主張した登壇者の張智琦さんの言葉が印象に残ったという。張氏は有事を避けるために「台湾と沖縄が交流を深め、沖縄戦などから培われた(県民の)平和意識を学ぶことが必要だ」などとした。阿利さんは「台湾の方たちとどう交流していけばいいか明確になった。沖縄戦の記憶を台湾の方たちと共有していきたい」と感想を述べた。

友人から誘われた参加した大阪府在住の廣瀬要平さん(69)は「以前、沖縄に住んでいたこともあって沖縄のことや基地問題に関心がある。登壇していた台湾の方たちそれぞれの違う視点を知ることができて、とても素晴らしかった」と力強く語った。

(與那原采恵)