群雄割拠の沖縄将棋界 アマ竜王戦に寄せて プロ棋士・島本亮


社会
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4月9日に沖縄空手会館で開催された将棋の第36回アマチュア竜王戦沖縄予選(読売新聞社主催、日本将棋連盟・琉球新報社共催)は歴代県代表に加え期待の若手も参戦し、ハイレベルな戦いが繰り広げられた。琉球新報ラジオ面の連載「島本亮プロの観戦記」を担当するプロ棋士の島本亮さんに予選の模様と歴史を振り返ってもらった。観戦記は30日付から県予選の級位者の対戦の見どころをひもとく。


 

 「竜王戦」。プロ棋界では賞金額が一番高く、序列一位のタイトル戦である。歴史としても名人位に次ぐ、二番目のタイトルとなっている。竜王戦第1期は1987年だったが、前身の「十段戦」、さらにその前身にあたる「九段戦」が約70年前の1950年からあった。

 アマ棋界では「アマチュア日本一決定戦」の第1回が1977年に始まり、プロ棋界に並行した形で「アマチュア竜王戦」が始まった。2020年、21年はコロナの影響で中止になったが今年で36回目を数える。

 アマ竜王戦は各地での予選をへて、6月に全国大会が東京で開催される。沖縄県予選の10年を振り返ると、2013年と14年は安里光太郎さんが連覇した。15年には元奨励会三段の城間春樹さんが代表となり、全国大会でも3位の成績を残している。奨励会とはプロ棋士の養成機関だ。

 城間さんは14年の「アマチュア名人戦」でも全国優勝も成し遂げている。16年には再び、安里さんが返り咲くが、17年から22年まで、禰保拓也さんが代表となっている。

 今年の県予選は、禰保さん・安里さんに先日の久留米王位戦の代表者、桑江裕丈さんと亀井匠磨さんや、アマ名人の代表を獲得したこともある石垣長武さんら沖縄を代表する面々が集った。

 結果は既報の通りで、知花賢さんが県代表となった。高段者の対局は、奥原忠吉さん観戦記(毎週火曜~土曜掲載)で楽しんでほしい。閉会式では「沖縄将棋界が元気です」との講評もあり、今後もますます楽しみな沖縄将棋界だ。

※注:禰保拓也さんの「禰」は示ヘンがネヘン