キングス、優勝へのマジック「2」に 大阪に75-64で勝利、牧が要所で3点弾 第57戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位)は29日、沖縄市の沖縄アリーナで大阪エヴェッサ(同5位)と対戦し、75―64で勝利した。9連勝で通算成績は46勝11敗。この勝利でチャンピオンシップ(CS)のクオーターファイナルのホーム開催が決まった。優勝へのマジックは2となり、30日の試合でキングスが勝利し、同地区2位の島根が敗れると6シーズン連続の西地区優勝が決まる。前半は一進一退の展開が続いた。第2クオーターに入るとキングスの3点弾の精度が落ち、得点が伸びない間に大阪に点数を取られたが、小野寺祥太、ジョシュ・ダンカン、アレン・ダーラムの連続得点で詰め寄り、32―34で折り返した。後半は大阪のインサイドの選手のファウルトラブルもあり、ジャック・クーリーのリバウンドからさらに得点と重ねた。次戦は30日午後12時55分から同アリーナで大阪と対戦する。
 

キングス 46勝11敗
 75―64(17―15,15―19,24―14,19―16)
大阪 26勝31敗

 【評】決めた3点弾の本数が点差に表れた。キングスは2点シュートの成功率では9ポイント近く大阪を下回ったものの、3点弾9本と大阪よりも3本多く決めた。また、ファウルで得たフリースローも全て決めた。ターンオーバーも6と少なく、攻撃機会を失う場面も少なかった。


 

キングス―大阪 第1クォーター、3Pシュートを決めるキングスの牧隼利=29日、沖縄アリーナ(Bリーグ提供)

 キングスは今季まだ白星がなかった大阪に勝利し、西地区優勝に大きく近づいた。相手のゾーン守備に得点が止まる場面もあったが、ボールを回しながら、攻撃チャンスをつくり、得点を重ねた。

 特にベンチスタートの牧隼利が要所で3本の3点弾を決めて、リズムをつくった。第1クオーターの3点弾は、相手の追い上げをかわす1本となった。2、3本目は岸本隆一や今村佳太がインサイドへ切れ込み、相手守備のマークを集め、外でフリーの状況をつくり、牧が沈めた。3本ともリングに当てずスウィッシュで決まり、シュートタッチの良さも見えた。

 昨シーズン終了後には手術も経験。リハビリや調整で試合勘もあまりなかったが、シーズンが始まるとプレータイムを勝ち取り、先発メンバーに入り始めていた。しかし、3月にコンディション不良でチームを離れてからは、戻ってきてもベンチスタートとなった。「すごくきつかった」と当時の思いを振り返りながらも「シュートが鍵」とシューティングの練習量を増やし、いい感覚が身についてきているという。

 30日のホーム最終戦に勝利し、島根が敗れればキングスの西地区優勝が決まる。チームの完成度をさらに高めるためにも「CSに入っているくらいの緊張感を、持ってやっていきたい」と語る牧に慢心は一切ない。

(屋嘉部長将)


守備に一体感

 桶谷大HC(キングス)の話 ゲームの入りは良かったが、セカンドユニットが入った時のゾーン守備への攻撃でシュートが入らなかったのと、3点弾連続で決められてしまったことで、前半はしんどい展開になった。後半、みんな守備をハードに一体感を持ちながら、プレーできたことが勝利につながった。
 

最後まで意識高く

 マティアス・フィッシャーHC(大阪)の話 両チーム、強度が高く、いい試合ができたと思う。最後の最後まで競争意識高くプレーできた。3点弾をワイドオープンで外したのが痛かった。オフェンスリバウンドを14本も取られてしまったのは大きな反省点。