新型コロナでの入院、全病院で可能は7割 沖縄など5県は受け入れ「困難」 都道府県調査


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 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行するのに伴い、47都道府県の7割に当たる33府県は今年冬までに全ての病院で入院患者の受け入れが可能と考えていることが29日、共同通信の調査で分かった。残り3割のうち沖縄など5県は「どちらかといえば困難」、8都道府県は「現段階では判断できない」などと回答。政府が現状の1・5倍に増やすとした外来の医療機関についても、沖縄を含む9割の43都道府県が「増やす方向で検討中」とした。沖縄県は「さらなる拡充については2倍程度を想定し、県医師会などと連携して取り組む」とした。

 病院とは20以上の病床がある医療機関を指す。政府は身近な医療機関で受診しやすい体制を目指すとしており、多くの自治体が対応しようとする実態が浮かんだ。ただ、コロナ対応の経験がない医療機関で受け入れが進まないのではと懸念する自治体も多く、実現するか不透明だ。

 調査は4月12~28日、47都道府県に実施。これまで一部の病院のみが担っていたコロナ医療体制の変化について尋ねた。

 今冬までに全病院でコロナ患者の入院が「十分可能」としたのは岩手や高知など13県、「どちらかといえば可能」は長野や佐賀など20府県。

 一方、「どちらかといえば困難」は滋賀や沖縄など5県、8都道府県は「その他」を選び「調整中」「不明」などと答えた。鹿児島県は無回答だった。

 対応する医療機関の拡大に向けた取り組みを問うと、9割超が不安解消や支援などの対策を講じていた。複数回答で具体策を尋ねると、「研修の開催」が沖縄を含む31都道県で最多。「県職員を派遣して懸念や課題を聞き取る」が12県で続いた。

 「県独自の医療情報システムで入院調整を進める」(群馬)といった取り組みもあった。

 外来診療の医療機関については43都道府県が拡大を検討。福井、滋賀、愛媛の3県は、十分対応できていることなどを理由に「現状維持の方向で検討中」と答えた。

 課題を複数回答で尋ねると、入院への対応では「通常医療との両立」が27道県で最も多く、次が「経験のない医療機関で入院患者受け入れが進まないのではないか」との懸念で21道府県だった。

 外来診療への対応では、6割の31道府県が「経験のない医療機関で受け入れが進まないのでは」を挙げた。

(共同通信)