陸自ヘリ事故の機体引き揚げ、海荒れて海中調査できず 30日の作業は中止に


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事故現場海域で作業開始を待つ民間作業船「新世丸」=30日午前10時28分、宮古島市沖

 【宮古島】宮古島市沖で発生した陸上自衛隊ヘリコプターの事故を巡り、民間作業船「新世丸」は30日、海底に沈んだ機体の引き揚げに向けた作業に向け準備を進めていたが、現場海域の悪天候のため、この日の作業は中止になった。5月1日以降、作業に当たる。

 30日午前11時の時点で新世丸は伊良部島と池間島の間にある現場海域にいたが、前日よりも海が荒れ、無人潜水機(ROV)の投下などの作業は確認されておらず、作業開始のタイミングを見定めていた。

 新世丸は29日、ROVや網を海中に投下するなどして、海底の状況を調査していた。30日も同様の調査を予定していたが、海域付近で白波が立つなど、前日よりも海が荒れ、作業ができていなかった。

 新世丸は、深田サルベージ建設のグループ会社・オフショアエンジニアリング(東京)の船。搭載されたROVにはロボットアームを取り付けることが可能で、船からつり下げたまま海中を移動して作業することができる。

 29日に投下した網の上にROVで運んだ機体の主要部分などを乗せ引き揚げるとみられる。

 事故機は陸上自衛隊UH60JAヘリコプター。これまで隊員とみられる6人が伊良部島の北側約6キロの海底で見つかっており、うち5人が引き揚げられて死亡が確認された。見つかったもう1人や機体の主要部分の引き揚げを急いでいる。
 (友寄開)