【宮古島】宮古島市沖で発生した陸上自衛隊ヘリコプターの事故を巡り、民間作業船「新世丸」は4月30日、海底に沈んだ機体の引き揚げに向けた準備を進めたが、現場海域の悪天候のため、この日の作業は中止になった。5月1日以降、作業に当たる。
30日は、深い海に対応する「飽和潜水」の作業を担っていた海上自衛隊の潜水艦救難艦「ちはや」も現場海域で確認された。ちはやは19日から補給のため広島県に戻っていた。
機体の引き揚げに向けた作業を担う新世丸は30日午前、伊良部島と池間島の間にある現場海域にいたが、前日よりも海が荒れ、無人潜水機(ROV)の投下などは確認されず、作業開始のタイミングを見定めた。正午ごろ、新世丸や別の作業船「航洋丸」の作業船2隻が現場海域を離れ、平良港に向かった。
新世丸は29日、ROVや網を海中に投下するなど海底の状況を調査していた。30日も同様の調査を予定していたが、海域付近で白波が立つなど、前日よりも海が荒れて作業ができなかった。
新世丸は、深田サルベージ建設のグループ会社・オフショアエンジニアリング(東京)の船。搭載されたROVにはロボットアームを取り付けることが可能で、船からつり下げたまま海中を移動して作業することができる。29日に投下した網の上にROVで運んだ機体の主要部分などを乗せ引き揚げるとみられる。
(友寄開)