「琉球料理の復活」で沖縄を元気に ユネスコ遺産登録を目指しシンポ 身近な食材で作ってみて


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琉球料理を紹介するシンポジウム登壇者ら=30日、那覇市久茂地の那覇文化芸術劇場なはーと小劇場

 「琉球料理ユネスコ無形文化遺産登録をめざして!」と題し、第1回シンポジウム(琉球料理ユネスコ無形文化遺産登録推進委員会主催)が30日、那覇文化芸術劇場なはーとで開かれた。沖縄美ら島財団の花城良廣理事長と東京農業大学の小泉武夫名誉教授が基調講演し、松本料理学院の松本嘉代子学院長、沖縄民俗学会の萩尾俊章会長らが登壇し、パネルディスカッションを行った。約240人が来場した。

 基調講演で花城氏は沖縄美ら島財団内の琉球文化財研究室で、琉球料理の聞き取り調査や古文書解読に取り組んでいることを紹介。料理家や学識経験者らの高齢化が進む中「琉球の食文化について迅速な資料収集が必要」と訴えた。同研究室の分室「琉球食文化研究所」でレシピや伝統野菜の食材、料理の復元に関する調査や人材育成の取り組みなども説明した。

 小泉氏は近年のライフスタイルの多様化で伝統的な料理の存在感が薄らいでおり、急激な平均寿命の低下がみられるなどと指摘。「沖縄の人たちを元気にするためにも琉球料理の復活を」と遺産登録に期待を込めた。

 推進委員会の新垣慶子委員長がコーディネーターを務めたシンポジウムでは、琉球料理保存協会の副理事長でもある松本氏が約140種の琉球料理を写真で紹介した。「タンパク質が豊富な豆腐が入るチャンプルーは季節の野菜も入れると栄養バランスが良い。身近な材料ですぐにできる料理から作ってみてほしい」と呼びかけた。
 (西田悠)