【速報】宮古沖陸自ヘリ事故、機体の一部が引き揚げられる 飛行記録装置の確認急ぐ


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海底から引き揚げられる機体=午前11時45分、宮古島沖

 【宮古島】宮古島市沖での陸上自衛隊ヘリコプター事故で、伊良部島北側約6キロの海底に沈んでいた機体の一部が2日午前11時45分、引き揚げられた。陸自が委託した民間企業の作業船「航洋丸」が実施した。陸自は機体の主要部にフライトレコーダー(飛行記録装置)が付いているか確認を急ぐ。

 11時45分過ぎ、機体はネットに包まれ、海面からゆっくりと作業船の甲板に下ろされた。機体は原型をとどめておらず、事故の衝撃の強さを物語る。燃料タンクは大きく破損し、胴体部分はねじ曲げられたようにゆがみ、自衛隊機を表す日の丸のマークがかろうじて確認された。

 今後、機体にたまった海水を抜き、フライトレコーダーの回収などを進めるとみられる。

 民間の作業船「新世丸」は1日、無人潜水機(ROV)で現場海域を確認しながら、機体の主要部を大きな網に入れる作業を実施した。天気などの条件が整い次第、その網ごと引き揚げられる状態となっていた。2日午前には、池間島と伊良部島の間の海域でROVを投下するなどして、事故機の引き揚げに向けた作業を開始していた。

 新世丸は2日午前8時20分ごろ、ワイヤーでつるしたROVを船上から投下した。付近にある航洋丸の甲板で複数の作業員が確認された。

 事故は4月6日に発生、第8師団や宮古警備隊の幹部ら10人が乗っていた。これまでに6人の死亡が確認されており、うち5人の身元が搭乗隊員と特定されている。