バラバラの機体 原形とどめず 陸自ヘリ引き揚げ 高台やビーチで住民、報道陣が作業の行方見つめる


この記事を書いた人 Avatar photo 與那嶺 松一郎
引き揚げた機体を載せて平良港に入港する民間作業船「航洋丸」と待ち構える報道陣=2日午後2時15分ごろ、宮古島市の平良港

 【宮古島】宮古島市沖の海域で消息を絶った陸上自衛隊のヘリコプター。事故から3週間以上たった2日午前、民間作業船「航洋丸」によって海底から引き揚げられた。午前11時45分、住民や駆けつけた報道陣が池間島から現場海域を見つめる中、バラバラになった機体の一部が甲板にあらわになり、事故の衝撃の強さを物語った。現場海域が一望できるビーチや高台では、住民や報道陣が駆けつけ、引き揚げ作業の行方をかたずを飲んで見つめていた。

 防衛省・自衛隊は午前8時20分ごろ、民間作業船「新世丸」から無人潜水機(ROV)を投下するなど、引き揚げの準備を進めていた。周辺海域の波は前日よりも穏やかだった。午前10時40分ごろ、ROVを引き揚げた新世丸が北側に移動すると、そこに航洋丸が入り、甲板で作業員が作業する様子が確認された。

 午前11時25分ごろ、航洋丸の船上で作業員がビニールシートを広げると、その20分後に網に包まれた機体が航洋丸のクレーンによって海面からゆっくりと船上に引き揚げられた。機体はバラバラで原型をとどめていなかった。作業員はすぐにブルーシートを機体にかぶせ、航洋丸は宮古島市の平良港に向けて航行した。