琉舞・志田真木さん「一つ一つの舞台を大切に」 芸術選奨で文科大臣賞、受賞の喜び語る


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「琉球舞踊が舞踊芸術として評価された」と喜びを語る志田真木=4月13日、那覇市の琉球新報社

 2022年度芸術選奨で舞踊部門の文部科学大臣賞に選ばれた琉球舞踊重踊流二世宗家の志田真木が4月13日、琉球新報社を訪れ受賞を報告した。人間国宝の志田房子以来となる受賞、親子での快挙に「琉球舞踊が舞踊芸術として評価されたことが誇らしい。一つ一つの舞台を大切に踊りたい」と改めて喜びを語った。

 志田は、受賞の連絡を受けた時について「一瞬うれしさはあったが、あまりの賞の大きさに心が重たくなった」と振り返った。だが「さまざまな舞踊の中で琉球舞踊が舞踊芸術として評価されたと思うと、素直に喜べるようになった」と語った。

 昨年12月に東京・渋谷のセルリアンタワー能楽堂で開催した「琉球舞踊 真木の会」での舞台が評価されたことが、受賞につながった。その後は稽古に向き合う姿勢も変わったという。「稽古でも舞台を務めるような気持ちで臨む。その気持ちが以前よりも強くなった」

 同席した房子は「いろんな方が興味を持って琉球舞踊を理解しようとしてくださる。その息遣いや緊張感が私たちを育てている」と感謝を示した。

 6月にも東京での公演を控えるなど東京を中心に活動する。志田は「どこの舞台も一緒」と語った上で「琉球舞踊自体も好きになってほしいし、舞踊を支える工芸や音楽などさまざまな角度から琉球芸能を好きになって、沖縄に関心を寄せてほしい」と話した。今後について「琉球舞踊が日本の芸能の一つとして海外に紹介できるまでになれれば」と期待を込めた。
 (田吹遥子)