憲法記念日の3日、「2023憲法講演会」(県憲法普及協議会、沖縄人権協会、日本科学者会議沖縄支部主催)が浦添市のアイム・ユニバースてだこホールで開かれ、ドキュメンタリー映画「教育と愛国」の監督で毎日放送ディレクターの斉加尚代さん(58)が講演した。新たな戦前を迎えないため「(学校の)先生も(メディアの)記者も戦争を呼び寄せる加担をしてはいけない」と強調。憲法が保障する幸福追求権、学問の自由の大切さなどを強調した。
斉加さんは「教育と愛国」で、教育や学問への政治介入を描き、沖縄戦の「集団自決」(強制集団死)記述の教科書問題なども取り上げた。作品は4月下旬にアルゼンチンの「ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭」で上映された。訪れた現地で、観客から世界各国で同様の課題があると伝えられ、「熱烈に受け入れられた」と報告した。
横浜市で上映後、沖縄出身女性が涙を浮かべ「沖縄戦をもっと語らないといけないと思った」と感想を述べたことも紹介。誰もが生きやすい社会のため、「教育についてもっと語ることが必要ではないか」と力を込めた。
オンラインも含め約600人が講演に耳を傾けた。会では「世界中の市民は、私たちと同様に平和を希求しています。その思いを信頼し、武力によらない解決を目指しませんか」と呼びかける憲法宣言も読み上げられた。
(金良孝矢)