キングス、Bリーグ西地区6連覇 広島に78-71 日本一へ前進 堅守で相手の攻撃封じる 岸本が最多7アシスト 第59戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位)は6日、広島サンプラザホールで広島ドラゴンフライズ(同4位)と対戦し、78―71で勝利した。この勝利でキングスは6シーズン連続の西地区優勝を決めた。11連勝で通算成績は48勝11敗。前半は第1Qの終盤から広島がビッグマン3人でゾーンディフェンスを敷くと、キングスの得点が止まり、リードを許す展開が続いた。次第にキングスが対応し始めると、相手守備システムの変更からジャック・クーリーがリバウンドをキープし始め、岸本隆一の3点弾などで逆転し、36―32でリードして折り返した。後半はテンポの速い展開でお互いに得点を重ねていく中、キングスは小野寺祥太、今村佳太の3点弾が決まり、次第に点差を広げた。第4Qは互い堅守で得点が伸びない時間が続くも、チームファウルが先に五つとなったキングスがフリースローを与えてしまい、点差を縮められるが逃げ切った。次戦は7日午後1時5分から同ホールで広島と戦う。

キングス 48勝11敗
 78―71(16―19,20―13,27―20,15―19)
広島 40勝18敗


キングス―広島 チーム最多の19得点をマークしたキングスのジョシュ・ダンカン(右)=6日、広島サンプラザホール(琉球ゴールデンキングス提供)

 シーズン平均84・5点とリーグ3番目の得点力を誇る広島をキングスの堅守が抑えて、6シーズン連続の西地区優勝を決めた。相手の高さのあるゾーン守備にも対応し、4選手が2桁得点をマークするなど、チームオフェンスを体現した試合となった。

 小野寺祥太が激しく当たり、広島に前へなかなかボールを運ばせない。相手外国籍選手にキングスは外国籍選手だけでなく、松脇圭志や岸本隆一も体を張った守備で、インサイドから簡単に得点をさせなかった。

 相手が3ビッグでゾーン守備を使うと、得点が停滞。これに対し、牧隼利がパスフェイクで相手のタイミングをずらし、渡邉飛勇のダンクにつなげる。相手最高身長のカイ・ソットをアレン・ダーラムやジョシュ・ダンカンが外に引っ張り出す位置取りをしたり、外からシュートを放ったりすることでゴール下でジャック・クーリーがリバウンドを死守できるようになり、そこから得点につなげていった。

 ダンカンは相手の守備のシステムを崩すだけでなく、自身も3点弾3本などフィールドゴール70%の高確率でシュートを沈め、チーム最多の19得点を挙げた。「自分がハードにプレーすることを心がけていた」と振り返りながら、「あす(7日)の試合も頑張って、もう1勝できるようにしたい」とシーズン最終戦へ意気込んだ。

(屋嘉部長将)


キングス―広島 2本の3点弾などを沈め11得点したキングスの岸本隆一(琉球ゴールデンキングス提供)

 得点が停滞する時間もあったキングスだが、岸本隆一を中心にボールを動かし続け、相手守備システムに対応し続けた。

 第1Qからジョシュ・ダンカンの3点弾をアシストするなど攻撃の中核となった岸本。ペイントエリアにドリブルで侵入しながら相手守備を引きつけ、外側でダンカンや今村佳太をフリーの状態にし決めさせる。ゴール下で守備が厳しくなければ自らもシュートを決め、外側でフリーになれば3点弾を沈めるなど11得点、チーム最多の7アシストをマークした。

 混戦となった西地区で「優勝は価値がある」とする岸本。一方、「まだ道半ばなので、ここからもう一つ、二つと自分たちを引き上げていきたい」とリーグ優勝に向け気を引き締める。

(屋嘉部長将)


皆で勝ち取った優勝

 桶谷大HC(キングス)の話 広島が高さのある選手が3人出した場面で、攻撃が雑になってしまい苦しい展開となった。守備で我慢しながら、粘り強くついていけたことがよかった。後半は修正しこちらも高さで対抗し、流れを渡すことなく自分たちのゲームを最後までできた。西地区1位を遠く感じることもあったが、キングスファンや球団スタッフ、県民のみんなで勝ち取った西地区優勝だと思う。

 

CSとは

 Bリーグの3地区(東地区、中地区、西地区)のそれぞれ上位2チームと、各地区2位以上を除き、勝率上位2チーム(ワイルドカード)の計8チームで行うトーナメント戦。

 クオーターファイナル(QF)は5月11日から15日、セミファイナルは19日から23日の期間で、リーグ戦上位順位クラブのホームで行われる。ファイナルは27日から30日に横浜アリーナで行われる。

 2戦先勝方式が採用され、1勝1敗の場合は1日おいて、第3戦を行う。

 キングス以外に、東地区から、千葉ジェッツ、アルバルク東京、中地区から川崎ブレイブサンダーズ、横浜ビー・コルセアーズ、西地区から島根スサノオマジック、ワイルドカードで名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、広島ドラゴンフライズ(いずれも西地区)が出場する。