「若者と伝統工芸品つなぎたい」琉大生が“紅型お守り”商品化に挑戦 沖縄


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沖縄の伝統工芸品を継承しようと、紅型をあしらったお守りづくりに取り組んでいる琉球大学の(左から)小林七色さん、城間杏莉さん、黒島慧さん=4月27日、西原町の琉球大学

 沖縄の伝統工芸品を継承しようと、琉球大学2年生の小林七色(ななせ)さん(19)、城間杏莉(あんり)さん(20)、黒島慧(けい)さん(19)が、紅型をあしらったお守りの商品化に取り組んでいる。3人は昨年度、地域の企業や自治体の課題解決を探る授業を受講した。その中で若者への伝統工芸の継承が課題となっていることを知り、「勉強だけで終わらせたくない」と、「若者が手に取れる工芸品」の商品化を目指すことを決めた。企画案は今年3月、ICTビジネス研究会「第10回ビジネスデザインアワード 2022―2023」のビジネスアイデアプラン部門で地域創生賞を受賞した。現在は紅型職人らにアドバイスを求めながら、商品化の道を模索している。

 授業では「県民に愛される那覇市」をテーマに、市職員らが市の魅力や課題を学生に説明した。学生たちは国際通りでのフィールドワークをこなし、今年1月、市職員らへ課題解決に向けた提案をプレゼンテーションして授業を終えた。

 小林さん、城間さん、黒島さんは、授業を通して感じた「継承への危機感」から、「自分たちでもできることをやろう」と思い至り、商品化に挑戦し始めた。

 学生への意識調査も実施した。学生にとって工芸品は高額な物が多く、身近ではないことが分かり、「学生でも手に取れるような値段で、日常的に携帯できる身近な物を作り、工芸品への親しみを深めよう」と考え、商品は紅型模様のお守りに決めた。

 黒島さんは今回の取り組みを通して「若者と伝統工芸品のつなぎ役になれれば」と意気込みを語る。小林さんも「実際に紅型工房で作品作りの体験をすることで、継承したいという思いが強くなった」と話す。城間さんは「学生でもできることがあると、活動や商品を通してアピールできたらいいな」と期待を込めた。

 3人は現在、商品化のための資金作りや協力者を探している。問い合わせはmuimui.okinawa@gmail.comまで。
 (嘉数陽)