県内各地の海岸に「カツオノカンムリ」漂着 さわると刺す海の危険生物


この記事を書いた人 琉球新報社
糸満市の海岸に打ち上げられた「カツオノカンムリ」(糸満市提供)

 クラゲの一種で海洋危険生物の「カツオノカンムリ」が、沖縄県内各地の海岸などに漂着している。カツオノカンムリは普段は沖合で漂っているが、風などの影響で打ち上げられたとみられ、8日には大宜味村で大量に漂着したとの通報が県に寄せられた。触れると刺されて痛くなり、場合によっては皮膚炎を起こすこともある。県などは見つけても触れないよう呼び掛けている。

 カツオノカンムリは青い円盤状のクラゲで、熱帯や亜熱帯の地域に広く分布している。気泡帯と呼ばれる浮袋で海面上に浮かび、海流によって日本近海にくることがある。昨年は渡嘉敷島で大量漂着が確認されたほか、今年に入っても奄美諸島などで見つかっていた。

 県内では4月上旬に豊見城市の瀬長島で漂着が確認された。4月20日には糸満市西崎で見つかったとの情報が市民から寄せられたほか、同市職員が大渡海岸でも漂着を確認したという。

 沖縄県衛生環境研究所の担当者によると、カツオノカンムリに関する問い合わせが増えているという。この担当者は「別の種類のクラゲではアナフィラキシーと呼ばれる強いアレルギー症状を起こした事例もある。見つけたら触らないでほしい」と述べた。万が一触った場合は医療機関を受診し、様子を見るよう呼び掛けている。
 (池田哲平)