【記者解説】リウボウG、海外客の回復を見込み進める次なる手は 黒字化へ「差別化」強調


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 リウボウグループ主要3社の決算は、コロナ禍からの回復が見られたものの、大幅な黒字転換とはならなかった。

 リウボウホールディングスの糸数剛一会長は「スーパー、デパートともに高い品質が強みだ。ここでしか買えない魅力的な商品をそろえることで価値を感じてもらえるように努力したい」と強調。競合他社との差別化をさらに進めて業績回復を図る。

 デパートリウボウを運営するリウボウインダストリーは、前期に続いて親会社のリウボウホールディングスから約3億5千万円の経営指導料免除などを受け、赤字転落を回避。リウボウストアもエネルギー価格の上昇、物価価格高騰などが直撃し、経常利益は前年を4億9900万円下回った。

 デパートリウボウはインバウンド需要を見込み、24年2月をめどに高級フルーツなどの展開を予定する。館内店舗の売り上げ強化策として、樂園百貨店を中心に商品のセレクトにも注力する。

 リウボウストアでも生鮮部門や総菜部門を強化するほか、県外のメーカーの商品導入など新たな商品展開で店舗の魅力をアピールする。

 コロナ禍やエネルギー価格、物価の高騰など厳しい経営環境が続く中、商品の独自性と新たな顧客開拓に光明を見いだす。
 (普天間伊織)