沖縄、トルコギキョウの一大生産地に 22年度の販売額は過去最高 コロナ禍も“追い風”になった理由とは


この記事を書いた人 琉球新報社
県の「トルコギキョウまだまだ生産加速事業」で送風機の導入を行ったトルコギキョウ農家の仲嶺さん夫婦=1日、八重瀬町

 JAおきなわが管理する沖縄県産トルコギキョウの2022年度の販売額が、前年比1億1457万円増の4億4951万円となり、生産を開始した2013年度以降、過去10年間で最高額となった。県内生産者の生産技術が向上したことや、コロナ禍で海外産の輸入量が減り、県産の需要が高まったことなどが理由。

 JAおきなわは「沖縄は全国的にも一大生産地として注目を集めるまで成長している」とし、今後も出荷量を拡大していく考えを示している。

 トルコギキョウは冠婚葬祭などの行事で需要が高く、県外に多く出荷される単価の高い品目。コロナの影響が出始めた2020年以降は、沖縄と同じ時期に出荷する競合地域の台湾からの輸入が減り、県産の22年度の1本平均単価は19年度比で50円ほど上がり、約200円だった。生産量も増加傾向にあり、22年度は過去2番目に多い224万2千本だった。

 生産拡大を図る県は、トルコギキョウの生産に欠かせないパイプハウス導入の補助事業などを展開している。そのほか、ハウス内の送風機導入で湿度を下げたり、先進地の生産技術を県内の農家で実証実験したりするなど支援してきた。

 トルコギキョウは苗代が1本20円と高価で、温度管理や茎の手入れなどに手間がかかり生産難易度も高いため、生産者にとってはリスクが高い。

 花きの出来栄えは3段階に分けて評価される。評価が一つ変わると単価が100円ほど上下する。

 県農業研究センターは、農家のリスクを減らすためにトルコギキョウの新品目を試験場で栽培し、沖縄の風土に合った品目を推奨するなどしている。

 県園芸振興課は「補助事業や強化型パイプハウス導入の補助などでさらに生産を推進したい」としている。
 (福田修平)