「ごみは持ちカエル」、「ポイ捨て悔しいーさー」 コミュニティ活性化に住民らが工夫 川を清掃、壁画も 国頭・辺野喜区


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辺野喜節とイジュの花が描かれた壁画の前に立つ東恩納寛区長(右)と会計の宮城スミエさん=4月21日、国頭村辺野喜区旧共同店前

 【国頭】沖縄県国頭村辺野喜区(東恩納寛区長)で、2022年度国頭村地域づくり促進助成事業として、辺野喜区コミニュティ活性化事業が実施された。同事業は、村過疎地域持続的発展計画に基づき、国頭村の定住対策の多様な施策を推進し、地域住民の創意を生かした自主的・主体的な取り組みを促進する。

 集落活性化事業では、集落内中央を流れる辺野喜川の中にある河川プール周辺や河川中州の草刈りや撤去作業を行った。

 景観整備事業では、農道や河川沿いの外来種植物対策として、村内外で外来種対策活動を行う講師を招き、外来種植物がもたらす悪影響について説明を受けた。集落河川沿いで広範囲に大きく繁殖した観葉植物ポトスの撤去作業や農林道沿い等のごみの収集、ポイ捨て防止看板の設置などを行った。

設置されたポイ捨て防止を訴える看板

 ヤンバルクイナが描かれた「ビンもカンも捨てないで!ヤンバルクイナは敏感です!」、カエルとヤンバルテナガコガネが描かれた「辺野喜の自然を壊さないで!ごみは持ちカエル」、シーサーが描かれた「ポイ捨て悔しいーさー」の3枚の看板を設置。思わずホッコリする仕上がりとなっている。

 文化保全事業では、閉店した旧共同店を生かしてミニ民具資料館を設置し、区民の憩いの場として提供。展示された民具や、辺野喜区の今昔が分かる写真をスライドで見ることができる。

 旧共同店正面壁には文化発信、継承を目的に、古くから伝わる当区を詠んだ貴重な琉歌「辺野喜節」の歌詞とその中で詠まれたイジュの花が描かれる。壁画は、福田工芸・福田宗男さん(71)=南城市=が描いた。旧共同店壁に大きく優しいタッチの絵が目立ち、地域住民やドライブ客を和ませている。

ヤンバルクイナとオリヅルスミレが描かれた炊事小屋の壁画

 また、公民館事務所裏側にある炊事小屋の環境美化として、区民らで下書きをして色塗りをして完成したヤンバルクイナや、辺野喜ダム建設の際にダムの底に沈んだといわれる幻の花オリヅルスミレの花などが描かれている。

 東恩納寛区長は「多くの区民が快く協力してくれた。壁画を見て年寄りや子どもたち、区民が見て気持ちよくなり、このへき地の活性化につながればと思う」と事業完了の喜びを話した。

(新城高仁通信員)