世界一を決めたあの曲、沖縄で 「齊藤健太と琉球フィル」がサックスと協奏曲 20日に那覇市の新報ホールで


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コンサートに向けて意気込む松元宏康=4月19日、那覇市泉崎の琉球新報ホール(喜瀨守昭撮影)

 琉球フィルハーモニック(上原正弘代表)は20日午後7時、「プレミアムクラシックコンサートVol.3『齊藤健太×琉球フィル』」(琉球新報社共催)を沖縄県那覇市の琉球新報ホールで開催する。今回は、アルト・サクソフォン奏者で「第7回アドルフ・サックス国際コンクール」で1位に輝いた齊藤と、琉球フィルハーモニックオーケストラが共演する。指揮は琉球フィルの正指揮者で、お笑い芸人としても活動する松元宏康が務める。

 齊藤は同コンクールで1位と新曲賞を受賞し、2002年の故・原博巳氏以来、日本人で2人目となる快挙を成し遂げた気鋭のサックス奏者。松元が音楽監督を務める「ブリッツフィルハーモニックウインズ」のコンサートマスターを務めており、共演歴は100回を超える。

 今回の演奏曲の一つであるグラズノフの『アルト・サクソフォーンと弦楽オーケストラのための協奏曲』は、齊藤がコンクールで世界一を決めた決勝大会の課題曲。松元は「世界一の音色を沖縄で響かせたいという気持ちがあった。それが今回実現する」と意気込む。

 松元は指揮者や音楽監督に加えて、お笑い芸人の顔も持つ。2019年にピン芸人・さんしろう吹奏楽部と芸人コンビ「ジャジャジャジャーン」を結成し、出場した「M―1グランプリ2019」で、最終300組まで残り、3回戦進出を果たした。また、伊江島出身のAnlyや広瀬香美、T.M.Revolutionの西川貴教らと、クラシックとポップスをコラボレーションした公演なども手がけている。松元は「お笑いとクラシック、ポップスとクラシックといった、ジャンルの遠いところと、コラボレーションをするのは絶対に面白い。あくまでも主役は音楽で、入り口が分かりやすく楽しいことは大切だ」と語った。

 バラエティー番組にお笑い芸人として出演することも目標にする。「『あの芸人さんオーケストラの指揮を執っているらしいよ』みたいな感じで、同じ世代や若い人たちに遊びに来る気持ちでコンサートに来てほしい」と笑顔で話した。

(田中芳)


 曲目はほか、石川亮太「日本民謡による狂詩曲」を弦楽オーケストラとハープの伴奏による特別アレンジで演奏する。モーツァルトの「交響曲第29番イ長調K.201(186a)」では、モーツアルトの時代に使用されたナチュラルホルンを用いる。

 入場料は全席指定で前売り券一般4千円、大学生以下2500円(当日は各500円増)。未就学児の入場不可。琉球フィルハーモニックは19日午後7時から実施する公開リハーサルに県内の小中高校生を招待する。定員は50人。参加希望者はhttps://forms.gle/8WLNj1QuAuS7WjW6Aから申し込みできる。問い合わせは同事務局、電話080(6497)8049、メールticket@ryukyuphil.org