火災で焼失した首里城正殿の龍頭棟飾(りゅうとうむなかざり)の復元を巡り、壺屋陶器事業協同組合の島袋常秀理事長らは12日、那覇市役所に知念覚市長と野原嘉孝市議会議長を相次いで訪ね、龍頭棟飾の復元を「壺屋焼」を主体に実現できるよう求める要請書を手渡した。島袋理事長は「われわれが持つ技術で龍頭棟飾は制作できる。首里城がある那覇市にバックアップをお願いしたい」と語った。
要請に対して知念市長は「われわれにも認識不足なところもある。県と話し合いながらしっかりと対応していきたい」と述べ、野原議長は「皆さんを後押しできるようし汗をかいていきたい」と語った。
県は制作体制について、平成の復元時に携わった県外の制作技術士と壺屋陶器事業協同組合との共同体制を構築したい考えで、6月末までに決定する方針。一方、要請で島袋理事長は「県は前任者を主体に据えたい考えを持っているが、壺屋焼の龍頭棟飾をするには組合が主体となるべきだ」と語った。理事長らによると、組合ではすでに独自に実験を重ね、龍頭棟飾に適した土の配合比などを導き出しているという。
(吉田健一)