しまくとぅば普及へ、ハワイの事例に学ぶ ハワイ大・聖田京子名誉教授「言葉と文化は一体」


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講演する聖田京子ハワイ大名誉教授=7日、那覇市首里の県立芸術大学

 しまくとぅばの教育や今後の普及活動に向けて、ハワイの事例から学ぼうと、県立芸術大学と沖縄ハワイ協会は7日、県出身でハワイ大学名誉教授の聖田京子さんを招き、県立芸大奏楽堂で講演会が開かれた。聖田さんはハワイ大で40年にわたり教壇に立ち、沖縄研究センター所長を務めた。ハワイ大で沖縄の言語と文化に関する講座を開講するまでの経緯などを語った。

 聖田さんは沖縄戦を経験した後、銀行員や英語教員を経て渡米した。2000年にハワイ沖縄移民100年を迎えた際、ハワイ大の学生からしまくとぅばを教えてもらいたいとの要望が相次ぎ、琉大や沖国大とのネットワークを構築して準備を進めた。

 沖縄語禁止の時代に育ったため、自身はしまくとぅばを話さなかったが「やんばるの歌三線の中で育ったので言葉を聞いたらだいたい分かった」という。

 ハワイの沖縄コミュニティーでは、琉球舞踊や三線を習う人も多いことから「言葉と文化は一体。言葉がなくなったら味わいが分からなくなる。沖縄の文化が消えていかないためにハワイでできることを頑張りたい」と話した。

 パネルディスカッションでは元那覇市助役で元ハワイ協会会長の高山朝光さん、県立芸大芸術文化研究所准教授の鈴木耕太さん、同大講師の神谷武史さん、同大で琉球芸能専攻の翁長俊輔さんらが登壇。コーディネーターはハワイ協会理事の親川志奈子さんが務めた。

 最後に玉城デニー知事も登壇し、しまくとぅばであいさつした。会場には200人(主催者発表)が来場した。

(慶田城七瀬)