キングス劣勢覆す CS準々決勝第1戦 今村24得点、勝利を呼ぶ  名古屋に91-85


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 プロバスケットボールBリーグ1部の年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)が12日、開幕した。琉球ゴールデンキングス(西地区1位)は沖縄アリーナでのクオーターファイナル第1戦で、ワイルドカード上位でCS出場を決めた名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(西地区3位)と対戦し、91―85で勝利した。同日は琉球新報社の冠試合として行われた。前半は名古屋Dの変則的な守備に得点の流れを止められたキングス。その中でもジャック・クーリーらのオフェンスリバウンドから得点を決めながら、名古屋Dに食らいつき、第2クオーター終了間際に岸本隆一が距離のある3点弾を決めて41―44で折り返した。後半は今村佳太の3点弾で追い付き、クーリーのシュートで勝ち越し。その後は一進一退の展開となるが残り35秒で今村の3点弾、速攻からのジョシュ・ダンカンのシュート、ファウルゲームで得たフリースローをアレン・ダーラムが決めて突き放した。第2戦は13日午後6時5分、同会場で行われる。
 (沖縄アリーナ、8020人)

キングス(西地区1位) 1勝
 91―85(18―1923―25,26―21,24―20)
名古屋D(ワイルドカード) 1敗

 【評】オフェンシブなゲームとなったが、フリースロー(FT)とリバウンドの差が勝敗を分けた。キングスは20本のFTを得て14本を決めた。名古屋Dには7回しか機会を与えず、ブースターの声援もあり決まったのは5本だった。リバウンドは前半こそ差はなかったが、後半は攻守でキングスのキープが増え、15本の差をつけた。


琉球―名古屋D 第4Q、3点シュートを決め、声援を浴びながら指を立てるキングスの今村佳太=12日、沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)

 得点力のある名古屋Dの攻撃に対し、真っ正面から対抗したキングス。前半から展開の早い試合となったが、24得点を挙げた今村佳太をはじめ5選手が2桁得点をマークし、逃げ切った。

 前半は名古屋Dの種類のあるゾーンディフェンスなどでターンオーバーを誘発されてしまう。その中でもこの日37歳の誕生日のジョシュ・ダンカンが第1クオーター(Q)だけで6得点を決めた。第2Qには岸本隆一がコート中央のキングスのロゴマークを踏みながら距離のある3点弾を沈めて会場を沸かせた。ゴール下でジャック・クーリーは体を張り、18得点11リバウンドのダブルダブルの活躍を見せた。

 今村はドライブなどでリングにアタックしながらも、12本中7本の3点弾を沈めた。シュートタッチの良さを「試合前の準備の段階からは良かったし、コンディションも良かった。試合へマインドセットできたことも良かった」と振り返った。

 一方、シーズン73・5失点とリーグで4番目に得点されないキングスが、85得点を許した。桶谷大HCは「プラン通りの守備は全然できていない。シュートが入ったから勝てた試合」と厳しい表情を見せた。今村も速攻で24得点を取られたことに触れながら「終始、名古屋Dのペースだった。調整してもっと自分たちの展開にしていきたい」と課題を修正し、第2戦へ挑む。

(屋嘉部長将)


クーリー躍動 リング下で存在感

琉球―名古屋D 第3Q、バスケットカウントを奪い、雄叫びを上げるキングスのジャック・クーリー(小川昌宏撮影)

 今季リバウンド王にも輝いた頼れるセンター、ジャック・クーリーが18得点、チーム一となる11リバウンドと気を吐いた。特に相手ゴール下でのオフェンスリバウンドが7と攻撃を下支えした。「名古屋はゾーン、マンツーマンと異なった守備をしてきたが、リバウンドで負けず、相手の強みを抑えることができた」とうなずいた。岸本隆一や今村佳太が3点弾を外しても、高さのあるリバウンドでボールを譲らず、チャンスに変えて確実に得点を重ねた。

 3点ビハインドで折り返した第3Qは相手の3点シュートの精度が落ち、試合の流れがキングスへ。46―46と競り合う展開で、リング下での存在感を発揮して逆転弾を決めた。最終盤までもつれる展開のなかで勝利をつかみ、「観客一人一人の応援がわれわれを後押ししてくれた」と感謝した。

(大城三太)


3Pにやられた

 桶谷大HC(キングス)の話 前半は相手の3点シュートにかなりやられた。守備の部分が良くなく、これでよく勝てたなという内容。2戦目は徹底してやりたい。ガード陣はいいローテーションで回せた。ビッグマンのところでもっとうまく出場時間を調整しないといけない。
 

FTで差が出た

 ショーン・デニスHC(名古屋)の話 キングスはフィジカルが強く、(ボールをコントロールする)ポゼッションの部分で負けてはいけなかった。その部分を修正しないといけない。フリースローでの得点も大事で(与えられた数が)相手が20本でこちらが7本と差が出た。