沖縄の警察犬ハインツ号、大会初の全国連覇 人のにおいをを探し当てる競技 糸満市で訓練「集中力、意欲高い」


この記事を書いた人 Avatar photo 熊谷 樹
全日本臭気選別競技大会で連覇を果たしたハインツ号と指導手の山内昌靖所長=4月30日、糸満市阿波根のシオン・警察犬訓練所

 【糸満】日本警察犬協会主催の第7回全日本臭気選別競技大会がこのほど、大阪府で開催され、シオン・警察犬訓練所(糸満市阿波根)で訓練を受けた嘱託警察犬でジャーマンシェパードの雄「ハインツ・フォン・ヨコハマシゲリ」号が大会初の連覇を達成した。

臭気選別は、人のにおいを付けた布を嗅がせて記憶させ、5枚の布から探し当てる競技。全国から176頭が出場し、トーナメント制で競った。ハインツ号は決勝で、記憶した布が5枚の中に存在しないという難易度の高い問題にも正解し、勝利した。

 生後5カ月で訓練を始めたというハインツ号は現在4歳。高い集中力が要求される臭気選別の練習に週6日取り組み、多い日は1回30分の練習を3回こなす。県警から要請があると出動し、捜査に協力している。

 約40年にわたって警察犬を訓練する指導手の山内昌靖所長(71)は長年、日本一を目指してきた。連覇達成への思いもひとしおだ。ハインツ号について「とても素直な性格で集中力や意欲が高い。他の犬にけんかを売られても買わない、非常に優しい性格」と評価する。警察犬の指導について「犬との信頼関係、絆が一番大切だ。絆があれば、犬も安心して訓練に取り組む」と語った。

 警察犬は4~7歳ごろが体力・精神面で最も充実するという。ハインツ号について山内所長は「これからますます活躍してくれるだろう」と期待した。
 (岩切美穂)