玉城デニー知事「信頼関係を損なう」 ミサイル部隊配備の説明なし、国を批判 沖縄・与那国


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玉城デニー知事(資料写真)

 玉城デニー知事は12日の会見で、陸上自衛隊与那国駐屯地への地対空誘導弾(ミサイル)部隊配備計画について、「県への説明は現在のところない」と述べて政府の姿勢を疑問視し、「信頼関係を損なうものでしかなく、県としては厳しい姿勢で臨まないといけなくなる」と批判した。

 過去に県がミサイル部隊配備について沖縄防衛局に質問した際、「現時点でそのような計画はない」と回答していたにもかかわらず、昨年末の政府予算案で事前説明なく配備関連経費が盛り込まれたとして「極めて遺憾と言わざるを得ない」とも述べた。

 敵基地攻撃能力(反撃能力)を有するミサイルについては「憲法や国際法との整合性など、あまりにも不透明な部分、説明不足の部分が多岐にわたる」とした上で「説明もない、理解を求めない、というような姿勢では、われわれは反対せざるを得ない」と語り、重ねて反対姿勢を示した。

 4月の宮古島沖での陸自ヘリコプターの事故に関し、5月に入っての機体引き揚げや6人目の身元が確認されたことについて「殉職された隊員の冥福を祈るとともに、ご遺族には心から哀悼の意を表する」と述べた。自衛隊機による事故が二度と起きないよう、原因究明と再発防止を重ねて求めた。
 (知念征尚)