デイゴス、九州初の頂点 牧山が値千金の決勝点 なでしこサッカー大会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
決勝 エナジック琉球デイゴスー東海大付属福岡高 前半、ミドルシュートで先制点を決める牧山麗菜(右)=14日、県総合運動公園蹴球場(大城三太撮影)

 女子サッカーのKYFA第35回九州なでしこ大会最終日は14日、県総合運動公園蹴球場で決勝が行われ、エナジック琉球デイゴスが1―0で東海大付属福岡高に競り勝って初の頂点をつかんだ。前半は互いに中盤での激しい競り合いが続いたが、デイゴスの牧山麗菜がミドルシュートを決めて先制点を奪った。後半は攻め込まれる場面も多かったが、体を張った守備でこらえて無失点に抑えた。攻めのチャンスが巡ると相手ゴールを何度もおびやかした。デイゴスは準決勝で秀岳館高(熊本)に3―1で勝利し、決勝に進んだ。大会には各県代表の12チームが参加した。

 エナジック琉球デイゴスが九州なでしこ大会で初の栄冠をつかんだ。

 決勝の東海大付属福岡高戦は前半から中盤で激しくぶつかった。互いに速いパス回しや体を張ったプレスで主導権争いが続いた。均衡を破ったのは、國吉真梨子からのパスを受けた牧山麗菜。相手DFが密集する狭いスペースで右足を振り抜き、ゴール左隅へとたたき込んだ。後半は互いに無得点で、これが決勝点となった。

 守備はセンターバックの田中佑奈、國分遥香を中心に堅守を誇った。新加入の國分は「知り合いが多いのでデイゴスに来た。プレーを楽しめている」とはつらつとした表情だった。

 準決勝では、4月の九州リーグ開幕戦で敗れた秀岳館高(熊本)を3―1で退け、雪辱を果たした。豊富な運動量と足の速さを生かしてピッチを駆け回った富沢藍那が2得点と暴れた。

 大会を通して山城見友希主将を中心に少ないタッチでボールを手放し、広くサイドを使うシンプルなプレーが光った。新メンバーが加わり、これまで積み上げてきたチームのスタイルに新たな個性が上乗せされた。山城は「みんな自信につながっただろうし、リーグ戦の内容にうまくつなげられれば」と上昇気流を目指す。
 (大城三太)