最強の挑戦牛を下した技は 闘牛王者・闘勢琥珀が頂上決戦制す 春の全島闘牛


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 第118回春の全島闘牛大会(主催・県闘牛組合連合会、共催・琉球新報社)が14日、午後1時からうるま市石川多目的ドームで開催された。注目を集めた事実上の日本一決定戦ともいえる全島一優勝旗争奪戦を間近で見ようと対戦開始時刻には立見席まで観客で埋めつくされ超満員となった。

シーの一番で牛若赤丸ぎのわん號(左)を激しく攻める闘勢琥珀=14日、うるま市石川多目的ドーム(喜瀬守昭撮影)

 注目のシーの1番全島一争奪戦(県知事杯)は、対戦が始まると王者闘勢琥珀が先制攻撃で突き技を放ち主導権を握った。その後も闘勢琥珀は割り技や掛け技と多彩な攻撃で牛若赤丸を攻め続ける。防戦に回った牛若赤丸も逆転攻勢の糸口を見つけようと掛け技や割り技を繰り出すが、闘勢琥珀の方が一枚上手だった。開始9分頃、闘勢琥珀の掛け技で土俵際まで追い詰められ、持ちこたえるも闘勢琥珀の圧力に押され舌出しをし、最後は腹取りを許し敗走した。闘勢琥珀は最強の挑戦牛といわれた牛若赤丸を下し4度目の防衛に成功した。

 中量級優勝旗争奪戦(うるま市長杯)は、黒獣王が勢頭カキヤーを11分56秒で下して初の中量級全島一牛に輝いた。黒獣王の突き割りの打撃に勢頭カキヤーは持ち味の掛け技を発揮できず、体力で勝る黒獣王に軍配が挙がった。しかし、圧巻だったのは、勢頭カキヤーに掛け技を決められたまま一気に土俵際まで押し込み最後は豪快な腹取りをみせた場面だった。

 軽量級優勝旗争奪戦(琉球新報社長杯)は、35分11秒の長期戦で常勝会テスリ華梨がちょこっとパンダ☆角金を破り2度目の防衛に成功した。当初予想では15分を超える長期戦になればちょこっとパンダが有利との声が多かったが、常勝会テスリは身上とする掛け技で終止、自分のペースで試合を進め勝利した。今大会の最長対戦タイムで試合後は両牛にたくさんの拍手が送られた。
 (平川智之)

【全島一優勝旗争奪戦】闘勢琥珀
【中量級優勝旗争奪戦】黒獣王
【軽量級優勝旗争奪戦】常勝会テスリ華梨
【ゆかり賞】与那国同志号
【殊勲賞】バブル
【敢闘賞】勝山天王