ヒスイカズラ初結実、沖縄県内で次々 南城市の民家、おきなわワールド 


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ヒスイカズラと結実した実=南城市知念の仲村一夫さん宅

 【南城】海の彼方に久高島が見える沖縄県南城市字知念の小高い丘に住んでいる仲村一夫さん(80)は、裏庭のパーゴラに8年前ヒスイカズラを植えた。今ではパーゴラからあふれるほど大きく広がったつるに、今年初めて大きな実が付いた。

 今年は1月末ごろから一度開花した後、5月から2度目の開花となった。テラスの柵に絡まっているワインカズラの花を見に来た友人5人が、裏庭のヒスイカズラの花房も見学している最中に、実ができていることを発見した。

 「これまで結実したことがなく今回が初めてで、しかも2個も付いている!」と仲村さんは奇跡的なことが起きたと不思議がった。

 ヒスイカズラの結実はとても珍しいと言われている。実は握り拳より少し大きめでパーゴラの天井から垂れ下がっている。ワインカズラも色鮮やかにテラスで咲き誇っていた。

(喜屋武幸弘通信員)

ワインカズラ

緑色をしたヒスイカズラの実=8日、南城市のおきなわワールド

 【南城】南城市玉城のおきなわワールド内に植えられているヒスイカズラが三つの実をつけた。5、6年前から栽培を始め、実がなったのは初めて。キーツマンゴーのようなツヤのある緑色の実が揺らいでいた。

 施設内では、玉泉洞入り口付近とハブ博物公園入り口横のガジュマルの木に、ツル性のヒスイカズラが巻き付いて青緑色の花を咲かせている。今回は後者の場所で、地上3メートルほどの高い位置に実がなった。見上げて目を凝らすと、緑の葉っぱに紛れた実を見つけることができた。三つの実のうちで一番大きいものは手のひらほどの17センチ大。ヒスイカズラはマメ科で、実が完熟したら種を採取して植える計画だという。

 企画広報課の市原いづみさんは「コウモリか虫が媒介して受粉したのかもしれない」と説明し、「SNSで情報発信していく。(実の)行く末を見守っていきたい」とうれしそうに話した。

 ヒスイカズラは梅雨入りしなければ、6月ごろまで楽しめるという。幻想的なヒスイカズラを観賞しながら、珍しい実も見つけてみてはいかがだろうか。

(上江洲仁美)