学校と保護者、互いの現状知ろう 池間守氏(県PTA連合会会長)<先生が足りない シンポ事前インタビュー>4


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池間守氏(県PTA連合会会長)

―保護者の立場から、教員不足問題をどう捉えているか。

 「子どもの健全育成を目指す中で、PTAとしても、いち保護者としても、とても重要な問題だと感じている。保護者の反応はさまざまある。学校や報道からの情報でよく知っている人や、知らない人、自分にできることはないかと悩む人、思いはあるが日々の暮らしで忙しい人など。教師の不在は、必ず何かしらの影響を子どもに及ぼす。現状を知って、全くの他人事と感じる保護者はほとんどいないだろう」

―保護者として何かできることはあるか。

 「教員不足問題に限る話ではないが、普段から保護者と地域が一緒に学校を支える、コミュニティースクールが必要だと考え、活動している。子どもを育てるのは、家庭と学校だけではない。私たちが子どもの頃は、地域の大人に叱られたり褒められたりして、地域に見守られて成長した。いまは隣近所のつながりが弱くなり、子どもの支援者が少ないように感じる。保護者や地域のつながりを広げてコミュニティーづくりをしながら、どんなサポートができるか模索したい」

―解決に向けて、課題に感じていることはあるか。

 「学校もPTAも、もっと情報発信する必要があるはずだ。懸念していることや困っていることなどを共有する中で、お互いに協力できる部分が見えてくるだろう。今はどちらも発信が弱く、何が起こっているのか、どんなことで困っているのか分からないことが多い。共働き家庭が多くなり、学校の活動に関わる余裕がない保護者も増えた。それでも、例えば小学校のミシン指導の補助はできるとか、朝の活動を引き取れるとか、互いの現状を知ることで見つかる支援がある。すぐにできる取り組みでもある」

(聞き手、嘉数陽)
(おわり)

 

 池間守(いけま・まもる) 県PTA連合会会長、建築士。一級建築士事務所エー・アール・ジー代表取締役社長。2012年度に西原町立坂田小学校PTA副会長、14年度に会長に就任。その後は西原町PTA連合会会長、中頭地区PTA連合会理事などを歴任。20年度に県PTA連合会理事、22年度から会長となり、現在に至る。浦添市出身。


 シンポジウム「教員不足 打開への一歩」はきょう午後2~5時、那覇市泉崎の琉球新報ホールで開催する。予約不要、直接会場へ。資料代500円。