「戦争孤児で体が弱くて…劣等感があった」大宜味出身・80歳の大城さん、全日本パワーリフティングマスターズ5で栄冠


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男子マスターズ5の59キロ級で優勝した大城新順のスクワット=20日、沖縄市体育館

 20日に沖縄市体育館で開催されたパワーリフティングの第52回男子・第47回女子・第42回ジュニア・第41回マスターズ・第22回サブジュニア全日本選手権大会。

 男子マスターズ5(80歳以上)59キロ級は大城新順(大宜味村出身、千葉県在住)がトータル260キロで優勝した。

 大城は沖縄戦で親を失い、姉とも別れて育った。

 進学のために上京したが「戦災孤児で体は弱く、小さくて…。劣等感があった」。それを克服するために21歳から始めたパワーリフティング。40代からマスターズの大会に出場し、世界選手権で優勝17度、うち9度は3種目、トータルいずれも1位の完全優勝を果たした。「地味な練習を地道に積み重ねて、体と心が鍛えられた」と笑う。

 競技歴59年、ことし80歳となる大城の目標は「90歳までの10年で、マスターズ5(80歳以上)の59キロ級の記録を全て更新すること」と壮大だ。「出場を優先したので出来は50点だが、今大会は起点。この記録を基準に、自分を成長させていきたい」と古老はいまだ意気軒高だ。

(安里周悟)